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胸を借りたろ、タリカロ!

ごく普通の食堂のカレーライスが進化すると曖昧な意味での「本場」を意識したスパイスモノになってしまうのか?
そんなひとつのスタイルが人気を集めては今日の行列が明日の行列を生んでいるように思えるランチタイム。
本場色が強いとまた違ってくるんだろうか?ソフィスティケイトされているとはいえ、本場さながらのインドスリランカ飯は気合いが必要なようだ。

「周りに納得のいくカレーがないなら作るしかない。自分でスパイスを配合しながら自分の舌で味を決めるねん!」とえらそうな事を言っていたが1年と8ヶ月前、町内の熊本系ラーメン跡に一軒の怪しいカレー店ができた。
カリタロ?胸を借りて勝負したいのか?いや[タリカロ]だった。
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代々“死にスジ”の場所なのは近隣住民の誰もが知っている。
その割には個性的な構えが二代続いた。熊本ラーメンの前は地味な店だった。ほとんど記憶にない。
異色な佇まいの向こうにはターバンかウォッチキャップにアゴ髭を逆三角形に蓄えた若者が熱く暑い南インドについて語るようなイメージを描いていた。
(全然違ったんだけど・・・)
家からわずか30秒。喧嘩を売るような面持ちはカウンターに座る頃にはヤスリ掛けされてしまって・・・いやいや参った。

あれから二度目の訪問、いや立ち寄り。「タリカロ・カリーセット」を。
ステンレスの皿に盛られるカレーは二種類、チキンと豆だ。チキンカリーの具材の丸ごとの鶏モモも横たわる。あとはターメリックライスと共にポリヤル、アチャール、ヨーグルト。
かなり辛口で勝負を挑んでくるチキンカレーはたっぷりの分量。トゥール豆と思われる豆カレーが箸休め的に脇役に徹してしまうのが少々物足りような気がする。そうそう、昔の[ラクシュミ]がそうだったかな。
ヨーグルトはデザート的な物ではなくクミンシードが見受けられる。きっと辛さの緩和用なのだ。
皿の上であれこれを混ぜて食べるのが本場流儀だろうがなかなかできないものだ。着崩しの難しさを思い浮かべる。まだまだ修業が足りないオレ、お上品にチキンを骨から外してはスプーンでカリーと混ぜて口に運びつつライスも頬張る。オレにはこの味は作れないなとその完成度にえらく感銘を受けながら食べ切る。
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↑タリカロ・カリーセット(900円)

スパイスの巡礼者としてはもう他は外してもここは外せない。
甲子園に最も近い位置にある高校の球児が甲子園を特別な思いで見ているような感覚か?

南魚屋町も変わったな。というかオレも変わったな。町内の店で飲み食いするだなんて・・・。


タリカロ
奈良市南魚屋町6 TEL 0742-24-1437
木・第2&4月曜休 / 11:30~14:00 18:00~21:30

by byrdland335 | 2011-10-22 17:42 | カレー  

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